2007年06月15日
御香 日本の伝統文化

御香です。香袋ですが、携帯するためでなく、部屋において、梅雨の鬱陶しい気を払い、清々しい心にしてくれる調合になっています。大きさは、直径4cm程度のものです。
携帯する訳ではないのですから、容器に入れておくだけでもいいように思いますが、この可愛いデザインの袋を作って楽しむ所に、「御香は、文化です」という所以があるわけです。この丸い形にするために、詰め物も少々入っています。色は、若葉の黄緑と、やわらかい青緑です。ちょっと暗い林の緑を裏に持ってきました。リボンは明るい空色。田舎の、涼しい木陰と青い空を思い浮かべつつ、香りを聞きます。そこに、やわらかな緑の小宇宙ができます。それが、御香の癒し空間と、私は思っています。香りに限らず、癒しは、受動的なものでなく、極めて能動的なものではないでしょうか。癒されるという言い方をしますが、ただじっとしていて何かが起こる訳ではありません。癒しを求めるものに集中してはじめて、癒されます。だから、これは効果があると過大にのめりこむのではなく、癒された自分は、自分の力で、癒しを勝ち得たと、自覚できることが、癒しの一番重要なことのように思えます。癒しが、依存になってしまったら、いつまでも、同じ場所で、さ迷うだけでしょう。
香りが好きで、御香の作り方まで学んでいますが、それから、離れてもいれる自由は、自分の手に握っていたいですね。
先日のカラー診断の時の、カラコ特製香り袋は、この御香と材料が幾つか重なっているのですよ。
ちなみに、すべて天然本物の材料を使ったこの可愛い香袋は、袋もすべて含めてですが、材料費は3千円まではいきませんという価格です。今は本物のお香は高くなってしまって、気軽に日常で楽しめるものではありません。ご指導くださる香司も、伝統文化伝承が目的で、いくらお香ブームといっても、ほとんどが合成物で間に合わせてしまうブームでは、やがて、本物のお香が何かもわからない時代になってしまうかもしれませんね。
Posted by 色彩カラコ at
14:44
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